Dark Room

 

◆暗室作業の準備を始めましょう。

1.薬品が粉の場合、前日までに適量の水で溶いておいて準備をしておこう。完全に溶かして、液を落ち着かせるには1晩おいた方がいいです。
 
2.液の準備をしましょう。分量にあった比率で①現像液、②停止液、③定着液をそれぞれ水に溶かして、バットに入れましょう。どれが現像、停止、定着か間違わないように注意。順番通りにしないと映像は出ません。液温は20度前後に調整しましょう。温度調整が結構大変。暑い時期は保冷材で調整したりしました。最も注意しないといけないのが現像液なので、投入後は現像液のバットに温度計を入れておくとよいです。
 
3.露光に必要な道具類(フィルター、印画紙、ダーマ、ブロアーなど)を手に取りやすい位置に準備しよう。暗くなると探すのが大変なので、置き位置を決めておくとよいです。


 

◆印画紙に画像を焼き付けよう。

 4.ネガキャリアにプリントしたいカットを窓に合わせてネガフィルムを挟みましょう。フィルムは傷つきやすいので、注意して取り扱うことが大事。セットができたらブロアーでホコリを吹き飛ばしてから引き伸ばし機に差し込みます。ブロアーでも取れない場合は、フィルムクリーナーで取り除く。
 
5.イーゼルを印画紙のサイズに合わせて羽根(マスク)の位置を調整しよう。以前に焼いた印画紙を仮置きして、調整するとよいです。以前のモノが無い場合、1枚だけ使って、仮投射して調整します。
羽根の位置などによって好みのトリミングが可能です。基本はノートリミングのギリギリラインですが、正方形や型などにする場合は、イーゼル上に光を当てたくない箇所に黒の紙を貼り付ければできます。
 
 6.セーフライト以外の明かりを全て消しましょう。電気を消したらここからプリントの調整作業に入ります。
 

 
7.ピントの調整をしましょう。レンズの絞りを開放(F)にして、一番明るい状態で確認します。イーゼルの枠に合わせてサイズを調整し(ヘッド横のハンドル)フォーカススコープを覗きながらピントを調整します。(レンズ横辺りのハンドル)粒子がはっきり見えればピントOKです。
 
8.絞りを調整しましょう。最初はレンズの絞りをF8にセットします。F8が基本となり、ネガの明るさにより絞りを調整するのもOK。絞りはカメラと同様で開放(F値が小さい)すると光が多く、絞り込む(F値が大きい)と光が少なくなります。極端な画像なら露光時間の調整をするのに活用するのもよいです。
 
9.テストピースを作りましょう。慣れてくるとネガの濃度でだいたいの数値が予測できますが、最初は幅広いテストピースを作るとよいです。テストピースは印画紙を切って、露光時間違いやフィルターの号数違いなどで一番明るい箇所と一番暗い箇所が入るように投射してプリントテストを行ないます。フィルターの基本値は2号です。2号を軸につくるとよいです。


 

 ◆印画紙を液につけていきましょう。

 10.液につけていきましょう。焼付けを終えたら順番に液につけていきましょう。
【1:現像液(1~3分/印画紙や液によって異なります)】
現像液に投射面を下にして静かにバットへ印画紙を入れます。入れたら竹ピンで画像がない隅をつまんで小刻みに前後左右にやさしく揺すって、液を馴染ませます。映像が浮かび上がるのを楽しむなら上向きでも一応、大丈夫ですが後半はひっくり返して、しっかり馴染ませましょう。(激しく揺すって、現像液が定着液のバットに入ってしまわないように注意)
【2:停止液(5~15秒)】
現状液から印画紙をゆっくり持ち上げて、滴る液がある程度止まるまで待ち、落ち着いたら停止液へつける。停止液につける際は現像液の竹ピンが停止液に付かないように注意!付いてしまったらしっかり水洗しましょう。停止液も同様にやさしく揺すってください。
【3:定着液(30秒~60秒/印画紙や液によって異なります)】
定着も同様に停止液から印画紙を移動させて入れます。30秒くらいたてば電気をつけても大丈夫です。
【4:水洗(RC紙は2分程度、FB(バライタ紙)は1時間程度必要)】
水洗バットに入れる前に軽く、定着液を流してからバットに入れた方がよいです。水洗バットは少量の水を流しっぱなしにしておきます。しっかり水洗をしておかないと時間がたった後で印画紙が変色したりします。
 
【5:乾燥
水洗が終ったら、洗濯ばさみなどで吊るして乾燥させます。プリント同士がくっつかないように注意しましょう。バライタ紙は紙が柔らかくなっているので、吊るさず、通気性のよいアミなどの上において乾かしましょう。バライタ紙は乾燥すると紙が波打った状態になるので、乾燥後はプレスをしてまっすぐにする必要があります。専用プレスがあるとよいのですが、無い場合は上に本などで重石にして置いておくとそれなりに綺麗になります。


 

◆本番プリントをしよう。

11.テストピースで露光時間、フィルターなどを決めたらいよいよ本番プリントです。テストピースは捨ててしまう場合が多いので、水洗は軽くで大丈夫です。本番はしっかりと!本番も露光後は10番と同様に現像、停止、定着、水洗へと進めます。
 
12.画像の全体をチェックして調整しましょう。絵の全体を見て、色が薄い、濃いなどのバランスを手や黒い紙などを活用して覆い焼き・焼き込みをして調整します。もっと焼き込みたいところがあれば、その場所以外を隠して光が当たらないようにし、追加露光したり、もっと薄くしたい場合は、露光中にその場所を適度にパタパタ隠して露光を減らしたりします。いろいろ試してみて、思い描く画を作ってください♪
小さい箇所を蹴る(隠す)場合、針金で先を丸くして、黒の紙テープを巻いて刷毛のようなものを作るのもいいですよ。結構使えます!また、露光時間だけでなく、部分部分でフィルターの号数を変えたりするのも有りです。