
暗室を体験したい!自宅に作りたい!そんな方に私が利用していた暗室設置方法をご紹介します。揃える道具はいろいろあるけど、設置方法は意外と簡単です!ぜひ参考にしてみてください。暗室ライフをエンジョイしましょう♪道具類はビックカメラやヨドバシカメラなどの量販店で手に入りますよ。
◆お風呂場を暗室にする場合
お風呂場は水があり、換気もあり、窓がないところも多いので暗室にするには好条件です。
脱衣所に引き伸ばし機が置けるくらいのスペースがあれば簡単にできます。湯船に板などで蓋をし、その上に現像液、停止液、定着液のバットを並べて、床(または風呂の中)に水洗スペースを置くとよいです。窓がある場合はダークカーテン(遮光カーテン)をつければOKです。引き伸ばし機の近くに鏡がある場合は露光の光が反射する場合があるので、黒い布などを掛けておいた方がよいですよ。また、引き伸ばし機近くの壁が白い場合も同様に光が反射する場合があるので黒い布や紙などを貼っておくなどした方がよいかもしれませんね。無くてもそれほど影響は大きくないですが気になる方にはオススメします。
ちなみに、私は引き伸ばし機を3段のスチールラックに乗せて利用しています。サイズがちょうどよく、下の台に用具類を収納しておけるので便利ですよ。車輪もつけておけば、移動も簡単です。引き伸ばし機は結構重いので、扱いには気をつけてくださいね。



※写真はお気に入りのレンタル暗室で撮った写真です。自宅暗室は大阪に引っ越す際に処分(リサイクル)してしまったので。。。もう少し広い部屋に引っ越せたら、再開したいなぁ。
◆暗室を作るために必要な用具類
<引き伸ばし機周りの用具類>
・引き伸ばし機
印画紙にフィルムを通して、光で画像を投射して焼き付ける機器。機種はラッキーやLPLが主流。フジは販売中止になっているものが多いので無いかも・・・。ライカも出していますが、かなりの高級品!
・タイマー
露光時間を調整するための付属品。
・セーフライト
暗闇の中で作業するため、露光しない専用のセーフライト(専用は高いので表面を赤く塗った電球でも可[市販品]。作業するときに部屋の電球を付け替えてやっていたこともあります)
・イーゼル
露光するときに印画紙を固定する道具。トリミングなどの調整も行ないます。
・ネガキャリア
フィルムを挟む道具。露光ライトとレンズの間に差し込んで、投射したいフィルムのカットを枠にあわせて挟みます。
・フォーカススコープ
印画紙に露光させるときに、ピントが合っているかを確認する道具。覗いて、粒子の粒が判別できればピントが合っている証拠です。
・多階調フィルター
画像のコントラストを調整する道具。数字が小さいフィルターは眠く(弱い)、数字が大きくなるにつれて堅く(強い)調整できます。レンズの下に置いて投射する光を調整します。
・ダーマトグラフ(ダーマ)
芯がやわらかい色鉛筆のようなもの。印画紙の裏に記録(露光時間、フィルターの号数など)を書いておくと分かりやすいです。
・手袋
フィルムを扱う際にホコリや油脂などが付かないように手袋をした方がよいです。
・ブロアー (カメラ用でOK)
フィルムのホコリを払う。フィルムにホコリが付くことがよくあり、投射すると影として写ってしまうのでホコリには注意が必要です。
・フィルムクリーナー・綿棒
フィルムの汚れを取るときに使います。傷が付かないように綿棒などにクリーナーの液をつけて、優しく拭き取ります。
※フィルムのホコリや汚れはちょっと神経質なくらい気をつけた方がよいですね。乾燥後にスポッティングで隠すこともできますが、なかなか綺麗に仕上げるのは大変です。
<薬液周りの道具類>
・暗室用バット
現像液、停止液、定着液を入れて、印画紙を処理するのに使います。それぞれ液専用のバットを決めておくとよいです。現像液は古くなると黄色く変色するので注意。
・液温計
現像液などの温度を測ります。20度前後に保たなければならないので、液を作るときとバットの中に入れておくのに使います。
・竹ピン(プラピン・ステンレスピン)
印画紙を液に浸すときに印画紙を掴むピンセット。先端がゴムのような柔らかいものが付いていて、印画紙を傷つけないようにする。これもバットと同様に専用を決めておいた方がよいです。
・メスカップ・攪拌棒
現像液などを計って溶くときに使います。
・薬液保存用タンク
粉状の液を作る場合、液を安定させるため、使用する1日以上前には作っておく必要があります。タンクに入れて保存しておきます。原液が液状の場合はすぐに使用しても大丈夫です。
・暗室時計
現像液、定着液、停止液などにつける時間を計るために必要です。専用のものでなくても夜光塗料がついている時計などでも大丈夫です。
ずらりと記載すると揃えなければならないものがいろいろとありますが、あると便利です。ヨドバシカメラやビックカメラなどの暗室用品売り場でだいたいは揃えられますが、やはりデジタルの波に押されて、売り場が縮小され、取扱い商品も少なくなってきているのも事実。。。印画紙や薬液も製造中止になったり、在庫が無かったりすることもあるので、個展など期日が決まった作品作りをする際には早めに集めることをオススメします。東京にいた頃は都内の量販店を何店舗も渡り歩いてかき集めたことも・・・。時間に余裕があるときはネットで注文する方が便利でいいですね。