2008.12

映画「天使と悪魔」を辿る

ガリレオの著書に隠された暗号を読み解き、イルミナティの凶行の事件現場となる道しるべを辿る映画「天使と悪魔」。ローマの名所がたくさん登場し、ローマ観光にはもってこいのルート!ロケ地を辿って物語と共にローマを感じよう。

 
 
 
 
 
 

★最初の目的地(フェイク)
2000年も建ち続けるローマ建築神殿「パンテオン」

ミケランジェロが「天使の設計」と称賛したローマ建築神殿「パンテオン」。2000年の時を経て今も建ち続けるその姿は神々しく感じます。中は円柱系の形をしていて、天井にはぽっかりと穴が!昼間はそこから太陽の光が差し込み、夜は夜空が覗きこみ、吸い込まれそうな不思議な感覚になります。内部の周囲にはラファエロの墓やローマ王の墓など著名人の墓が埋葬されており、墓だけでなく、絵画や著書など貴重な文献も保管されているそうです。外からも中からもその建築の美しさにうっとりさせられました。「ローマに来たらパンテオンを見ずに帰るなかれ」と言われるのも納得ですね。
 
 
 

★最初の道しるべ 
芸術の宝庫「サンタ・マリア・デル・ポポロ教会」

ポポロ広場へは地下鉄フラミーニオ駅を下車してポポロ門から入ります。ポポロ門を入るとドーンとオベリスクが目に飛び込んできます。とても象徴的で圧倒的な存在感を放っています。ポポロ門を入ってすぐ左側に最初の道しるべとなった「サンタ・マリア・デル・ポポロ教会」があります。表面はシンプルな作りですが中は素晴らしい彫刻や絵画が溢れていて、芸術の宝庫!教会というよりも美術館と言ってもいいほどの素晴らしい作品がたくさんありました。
 
 
 

最初の道しるべとなる「キージ礼拝堂」

教会の中には8つの礼拝堂があり、その中のひとつがラファエロが設計した「キージ礼拝堂」。ここが事件の始まりとなったところです。素晴らしい絵画と謎を含むピラミッド、そして道しるべとなるベルニーニ作の「ハバククと天使」。小さな礼拝堂に様々な芸術が詰め込まれ、なんとも不思議な空気が漂っている感じがしました。

 
 

市民の憩いの広場「ポポロ広場」

巡礼者のローマへの入り口であり、市民の憩いの広場「ポポロ広場」。「ポポロ」とは「市民」という意味だそうです。広い広場の中心にエジプトから運ばれたオベリスクが聳え立ち、その前には3本の通りが走り、その間に双子の教会が建っています。二つ並んで建つ姿は寄り添っているようでなんだか可愛く感じましたこの広場には何人もの大道芸人もいて、観光客を楽しませてくれます。自由の女神さん、ベストポジションゲットですね(^^)広場の西側だったかな?少し丘を上れるところがあって、そこからサン・ピエトロ寺院までの望めますよ。

 
 
 

★第2の道しるべ
巨匠ベルニーニの芸術が見下ろす「サン・ピエトロ広場」

ローマ市内にある小さな独立国家「バチカン市国」。その入口となる「サン・ピエトロ広場」は巨大な大理石の支柱が二重に取り囲み、その上には巨匠ベルニーニの素晴らしい彫刻がズラリと並んでいます。中心には巨大なオベリスクが聳え立ち、その横には同じくらい大きなクリスマスツリーが飾っていました♪映画の第2の道しるべ「天使の顔のレリーフ」もこのオベリスク近くの地面にありましたよ。(写真…どっかにあるはず…)
 
 

周囲を取り囲む大理石の支柱とバチカン市国を守るスイス衛兵

 
 
 

★第3の道しるべ 
 バロックの粋を集めた美しき「サンタ・マリア・デラ・ヴィットリア教会」

カルメル修道会の教会として建設された「サンタ・マリア・デラ・ヴィットリア教会」。左右に3つずつ礼拝堂があり、小さいながらも芸術溢れる美しい教会です。天井を覆うフレスコ画「異端に勝利する聖母」やクーポラの「聖母被昇天」など見どころが多く、第3の道しるべとなったベルニーニの傑作「聖テレジアの法悦」は、情熱的で官能的な光景を描写しており、あまりの恍惚な表情に当時は批判も受け、サン・ピエトロ大聖堂から移されたとも言われています。教会と言えばちょっと暗いイメージがありますが、ココは正面の黄金に輝く祭壇といい、喜びに満ち溢れ、煌々とした雰囲気が異様な魅力を放っていましたね。
 
 
 

第4の道しるべ 
ローマで最も美しい芸術的な「ナヴォ―ナ広場」

昔は競技場があったらしく、横に細長い特徴的な「ナヴォ―ナ広場」には、北側からデッラ・ポルタ作の「ネプチューンの噴水」、ベルニーニ作の「四大河の噴水」と「ムーア人の噴水」の素晴らしい3つの噴水が並んでいます。この3つの噴水で細長い広場を4つに区切り、4大大陸を表しているそうですよ。私が訪れた中でここが一番大きなクリスマスマーケットが開かれていました。周囲には曲線が美しい聖アニェーゼ教会やオープンカフェが並び、のんびり過ごしたくなる憩いの広場です。第4の道しるべは「四大河の噴水」でしたね。夜になるとライトアップされて、光と影が織りなす彫刻と水がなんとも美しかったです♪
 
 
 

★イルミナティのアジト
バチカンへと繋がる謎多き城塞「サンタンジェロ城」

2世紀にローマ皇帝の霊廟として建てられ、その後は要塞、教皇の避難場所、さらに教会に背いた者の牢獄など様々な役割を担ってきたそうです。屋上の中心には大天使ミカエルの像が槍を下に向けて(鞘に入れている)いる姿が印象的でした。これは590年に猛威を振るったペストの終焉を大天使ミカエルが現れて伝えたという伝説から造られたそうです。また、城の名前「サンタンジェロ(聖天使)」というだけあって、城まで続く道には天使の像がたくさん立っていますよ。
 
 
 

サンタンジェロ城からの眺望は絶景!

サンタンジェロ城に訪れたら屋上には必ず上がってみてください!ローマの街を一望する絶景が望めます。もちろん、バチカン側も見渡せますよ♪
 
 
 
 

 世界最大級の美術館「バチカン美術館(博物館)」

500年もの歴史ある「バチカン美術館(博物館)」には歴代のローマ教皇たちがコレクションしたその時代の数々の最高傑作が所蔵されています。一口に「バチカン美術館」と言っても実はいくつもの美術館、博物館、図書館などの複合施設で、15ものセクションに分かれて展示されています。美術館はバチカン宮殿の一部ということもあり、館内はまさに絢爛豪華な宮殿!入口からして、天井をフレスコ画が全面を覆う長い通路から始まり、最初から圧倒されてしまいます。その後、様々な芸術作品などが展示された部屋を渡り歩きながら、どんどん奥へと進むのですが、どの部屋も壁や天井に素晴らしいフレスコ画が溢れており、見どころが多すぎてなかなか進めない・・・。そして最後に辿りつくのがコンクラーベが行なわれる「システィーナ礼拝堂」です。天井に描かれたミケランジェロの「創世記」と「最後の審判」の圧倒的なスケール感にただただ感動してしばらく動けなくなりました。残念ながら「システィーナ礼拝堂」は撮影禁止!他の箇所は撮影OKですよ♪
 
 
 
 

 美しいフレスコ画がいっぱい!窓枠さえも素晴らしい!

ちなみに・・・毎月第4週目の日曜は無料開放されますよ♪私もそれを狙っていきました(^^)

 
 
 

カトリック教会の総本山「サン・ピエトロ大聖堂」

キリストの第一弟子である聖ペトロの名から名づけられた「サン・ピエトロ大聖堂」。 聖ペトロは初代ローマ教皇でもあり、殉教後に彼の墓の上にこの大聖堂が建てられています。中はさすが総本山だけあって、今まで見てきた教会とは桁違いの迫力がありました。スケール感はもちろん、装飾や数々のフレスコ画、彫刻類も素晴らしいものばかり!私が訪れたのがクリスマスイブの前日だったので、たくさんの椅子が並べられていてミサの準備が始まっていましたよ。イブの深夜に聖堂内でミサが行なわれ、翌日のクリスマスには広場でローマ法王の説教を聞きにたくさんの人が集まり、大変な状態になっていましたよ。イブとクリスマス当日は聖堂内に入れないので、前後で行っておくといいです♪
 
 
 
 
 
 

映画「天使と悪魔」のロケ地を巡るとローマを知ることができる。 

道しるべを辿っているとうまい具合にローマをぐるりと周ることができました。素晴らしい芸術作品に多く出会え、中でも巨匠ベルニーニの偉大さ、ベルニーニなしにはローマは語れない、ローマはベルニーニよって造られたと言っていいほどの存在感には驚かせれました。教会の建築に多く携わったベルニーニもイルミナティだったと言われているのもまた、深い謎に満ちていて、魅了されますね。